現代社会・現代の世界は,「
ボーダレス1(=国境のない)社会」といわれている。ボーダレス社会になった理由として,「交通網の発達」が挙げられる。しかし20世紀後半以降では特に,「通信の発達」が理由に挙げられる。通信衛星網や光ファイバー通信網の発達は,世界的な規模でのすばやい情報交換を可能にした。通信網さえ整備されていれば,地球の裏側の映像や音声も,瞬時に見たり聞いたりすることができる。国内の報道はもちろん,海外のニュースもすぐに知ることができる。国内外の新しい娯楽や文化の情報も,海外に出かけることなく,多くのことをすぐに知ることができるようになった。このような社会を情報化社会という。
マスメディアやコンピューターの開発、マスコミュニケーションの発達は、情報の大量生産、情報の収集・保管、迅速な伝達を可能にした。一方で、問題点も指摘される。まず、情報化社会ではマスメディアが情報を独占するため、人々を単なる情報の受け手としてしまう状態になる。そこで、国や自治体の情報を手に入れたり、マスメディアを使って意見や反論を表明する権利、アクセス権が主張されるようになった。また、情報機器を使いこなせる人とそうでない人では、入手できる情報に大きな格差があり、それが経済的、社会的な格差を生み出すという
(A)デジタル・デバイドの問題も生じている。さらに、知的所有権の侵害、プライバシーの侵害の可能性を生み出し、2003年には「
個人情報保護法2」が制定され、実施されている。