第12課

【12】選挙せんきょ

選挙とは国民の代表者を投票(とうひょう)によって決めること。選挙によって間接(かんせつ)に政治に参加することになる(間接民主(みんしゅ)制)。選挙する権利を選挙権と言い、選挙される権利を被選挙権(ひせんきょけん)1という。現在の日本では満20歳以上の男女に選挙権がある。2被選挙権は25歳以上と30歳以上の場合がある 。日本の選挙の原則は満20歳以上の男女に選挙権が与えられる普通選挙。有権者(ゆうけんしゃ)が1人1票の平等選挙。有権者が直接候補者に投票して代表者を選び出す直接選挙。無記名(むきめい)で投票する秘密選挙。投票は有権者の自由で棄権(きけん)もできる任意(にんい)選挙。の5つ。各国の選挙制度の歴史は制限選挙から普通選挙、差別選挙から平等選挙、公開投票から秘密投票、間接選挙から直接選挙へと進んだ。

史上初めて青年男女平等普通選挙権が認められたのはドイツのワイマール憲法(1919年)においてである。アメリカは1920年に婦人参政権を認め、イギリスでは1928年にソ連では1936年に男女平等普通選挙権が認められた。第二次世界大戦後、イタリア・フランス・日本・中国などで普通選挙権が認められた。スイスでは1971年に婦人参政権が認められた。

選挙区制は大きく小選挙区制と大選挙区制、比例代表制に分けることができる。小選挙区制は1選挙区1人を選出。大選挙区制は1選挙区複数名を選出。比例代表制は政党に投票された得票率によって議席を獲得する。各選挙区制の長所と短所は下記の通りである。
  長 所短 所
(A)小選挙区制 ・二大政党が実現しやすく政局が安定
・選挙費用が少なくてすむ
・大政党に有利
・大量の死票3がでる
・少数政党に不利
ゲリマンダー4の危険
大選挙区制 ・少数政党も当選可能
・死票が少ない
・少数政党の乱立で政局が不安定
・選挙費用が多くなる
比例代表制 ・死票が少ない ・少数政党の乱立で政局が不安定
日本では、衆議院議員の選出は小選挙区比例代表並立制を採用している。一方、参議院議員は、都道府県を選挙区とする選挙区選出議員選挙と、全国を一つの単位とした比例代表選出議員選挙の二種類の選挙によって選出される。また地方公共団体の首長や議会の議員は、住民の直接投票によって選ばれる。


[問1] 下線部(A)小選挙区制の説明について、正しいものを一つ選んでください。

(1)大政党に有利なため、政局が安定する。
(2)比例代表制よりも死票が少ない。
(3)小党乱立となりやすく、政局が不安定になりやすい。
(4)少数意見を反映しやすい。

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