グローバリゼーションとは、これまでの国家や地域などの境界を越えて地球規模で結びつきが強くなることをいう。1970年代から広く使われるようになった。科学技術の発展にともなって、世界全体の文化や経済が一つになりつつあり、とくに経済分野のグローバル化が進んでいる。貿易の発展は直接投資を含む資本の流動化を進め、国際金融システムを発展させ、多国籍企業による世界経済の支配を強めている。
現在、アメリカは、様々な分野で世界をリードし、支配的立場に立っている。そのため、アメリカの経済システムに世界の経済が組み込まれ、アメリカのシステムが世界のシステムになっている(グローバルスタンダード化)ともいわれるが、(A)アジアやアフリカのナショナリズムに目覚めた人々の間では大国主導の押しつけだという批判もある。
その一方で、各地域の独自性を重視しようという動きも見られる。まず、地域の中で関税や非関税障壁(しょうへき)、輸出入に関する諸規制を撤廃(てっぱい)して、自由に貿易を行う動きで、(B)欧州連合(EU)がその代表的なものである。1958年、ヨーロッパ経済共同体(EEC)の成立で、地域統合の動きは始まった。1967年には、ヨーロッパにおける経済統合の基となるヨーロッパ共同体(EC)が設立された。1993年、ヨーロッパ連合条約(マーストリヒト条約)の発効により、ECがEUに改組された。その後、加盟国が拡大し(27カ国2012)、共通通貨ユーロも導入され、発展を続けている。
|