「日本国憲法」(=第二次世界大戦後の憲法)は,1947年(昭和22年)5月3日に施行された。旧帝国議会に変わり,新しい国会も誕生した。同年5月20日に第1回国会が召集された。新しい憲法のもとでは,「国会は国権の最高機関で,唯一の立法機関である」(憲法第41条)と定められた。旧憲法のときは,主権は天皇にあり,議会は天皇の立法の協力機関にすぎないとされていた。新憲法は主権が国民にあることを宣言しているので,大きな違いがある。戦前と戦後とで,国会の立場も大きく変わった。
国会は, 衆議院1と 参議院2の2つで構成されている。この場合の「国会」は,議院・議場の意味である。両院の議員は,日本国民を代表する「国会議員」である。衆議院議員の定数は480人で,そのうちの300人は小選挙区制によって選ばれ,180人は比例代表制によって選ばれる。衆議院の比例代表制は,日本を11の地域に分けて,そこを選挙区とする制度である。また,衆議院議員の任期は,途中で解散が無ければ4年間である。一方,参議院議員の定数は,平成21年(2009年)の時点では242人である。96人は比例代表制によって選ばれ,ほかの146人は,都道府県を単位とする47の選挙区から選出される仕組みになっている。参議院に解散は無く,任期は6年間である。3年に一度,その中の半数が選挙によって交代する。
国会のいちばんの役目は,法律を制定することである。しかし,このほかにも,いろいろな役目がある。国家予算など財政に関する議決をすること,条約の締結を承認すること,憲法の改正を発議すること,内閣総理大臣を指名することなどである。国会の召集は内閣が決定する。
国会には3種類がある。つまり,常会・臨時会・特別会である。この場合,「国会」という単語は,「国の会議」といった意味になる。「常会」(通常国会)は,毎年1月に招集される。次の年度の国の総予算や,この予算を使うために必要な法律案を審議するための重要な「国会」である。常会の会期(=開催期間)は,開始から150日間と決められている。また,「臨時会」(臨時 国会)は,その名前のとおり,臨時に必要があるときに開催される。非常事態が起こったときなどに内閣が招集することができる。衆議院または参議院の議員の側から開催を要求することもできる。「特別会」(特別国会)は,衆議院が解散し,衆議院議員の総選挙が終わった後に招集される特別な国会である。臨時会と特別会の期間は,毎回異なる。会期は,常会は1回,特別会と臨時会は2回まで延長できることになっている。
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