第2課

【2】多文化理解たぶんかりかい

世界各地域の様々な民族は・言語・食べ物・学問・芸術・宗教など独自の生活の仕方や考え方をもって,それぞれ特有の文化を形成している。現在はグローバリゼーションの進展により,自他の文化を理解し尊重することがますます重要になっている。
今日のさまざまな文化が発達する上で,文化交流の果たした役割は大きい。例えば,ローマと漢を結んだ絹の道(シルクロード)1やアラビア商人やペルシア商人が世界の東西を結んだ海の道2などがある。こうした商人達の活躍によって文化交流が盛んに行われた。また文化交流の上で宗教の果たした役割も大きい。世界には三大宗教と呼ばれる,キリスト教,仏教,イスラム教を始め数多の宗教が存在している。キリスト教はイエスの信仰と隣人愛の教えとパウロのイエス=キリストの信仰を核心としている。主な宗派はカトリック,プロテスタント,東方正教などがある。仏教はゴータマ=シッダルダによって創始され,のちに小乗仏教・大乗仏教などに分かれた。イスラム教はアラビアのマホメットによって始められた。唯一絶対の神「アッラー」に服従することを強調し,アッラーの啓示を書いた「コーラン」の教えに従って生きる。豚を忌避し豚肉を口にせず,断食月(ラマダーン)には夜明けから日没まで飲食を断つ。スンニ派とシーア派などの宗派がある。三大宗教の他にもインドなどで信仰されているヒンディー教やユダヤ人の民族宗教であるユダヤ教など,多くの宗教が存在している。
このような文化・言語・宗教の違う民族が共存している国を多民族・多文化国家と呼ぶ。例えばロシア・中国・ベルギー・スイス・シンガポール・マレーシア・カナダ・オーストラリアなどの国である。他民族・他文化国家の中には二つ以上の言語を公用語とし,少数派の自治権を認め平和的に共存しているところもある。しかし現在でも民族・文化の違いによる問題を解決できていない国も多くある。


[問1] 多文化理解について述べた次の文で,正しくないものを次の(1)〜(4)のうちから,一つえらびなさい。

(1)シンガポールの公用語は英語である。
(2)オーストラリアでは白豪主義が廃止され,アジア系の移民が増えた。
(3)ヒンドゥー教では牛は聖なる動物であるため,牛肉は食べない。
(4)世界でキリスト教徒が一番多い。

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