国際社会を挙げて取り組むことが必要な問題は,地球環境問題や人権問題,軍縮など,たくさんある。こういった問題への対処において,
(A)NGO(=非政府組織)1や
NPO(非営利団体)2の果たす役割が,ますます重要になってきた。発展途上国の経済開発や社会開発のために資金や技術を提供する「開発協力・開発援助」についても同様である。
NGO活動はグローバル化した環境問題、国際的な経済格差、人権問題などの克服に向けて広範囲に及んでいる。現在、NGOの存在は広く認められていて、国際会議で政府間協議と同時にNGO会議が開かれ、国連の会議にオブザーバーとして出席を認められている団体もある。代表的なNGOとしては、人権侵害から基本的人権を守ることを目的とした
アムネスティ・インターナショナル3、環境保護の
グリーンピース4などがあげられる。
国際的な開発援助を代表するのが
(B)ODA(政府開発援助)5である。ODAは贈与(無償資金協力)、借款(しゃっかん、有償資金協力)、国際機関への拠出の3つに分けられ、各国によって事情は異なる。日本のODAは、総額でみるとアメリカと並んで最高水準だが、対GNP比は先進国の中で最低水準となっている。また、贈与の比率が低い、アジア諸国向けが半分以上、貧しい人々の生活向上に役立っていない場合が多いなど、問題点も指摘されている。